ロンドン近郊に住んで感じたメリット・デメリット

上空から見るイギリス郊外の村の様子

コロナ明けでハイブリッドワークが主流になってきたタイミングから、ロンドン近郊の町に移り住みました。渡英してからずっとロンドン市内で生活してきたので、そこから引っ越すことは後ろ髪を引かれる思いでした。

一方で、ロックダウンで家に缶詰状態になる経験をしたことで、以前よりも住まいの広さや生活環境を重視するようにもなっていました。

いざロンドンを離れて暮らしてみると、生活の見え方も少しずつ変わってきました。良かったこともあれば、不便に感じることもあります。今回は、実際に住んで感じたメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。

ロンドン近郊に住むメリット

家賃や住宅費が抑えられること、居住空間のスペースが広くなること。

この2つがツートップで感じられるメリットだと思います。同じ金額のロンドン内の物件と比べてみても、部屋のスペースがだいぶ広くなるので、初めはその差に驚きました。

またロンドンよりも人口が少ないので、静かで落ち着いているエリアが多く、住みやすいと感じます。緑地スペースも増えるので、自然や緑をより身近に感じられます。町や村によっては移民が少なかったりするので、そういうところに移り住むと「ああ、イギリスに来たんだな」と素朴なイギリスらしさを感じることができます。

メトロポリタンなロンドンも捨てがたいなという場合は、ロンドンにアクセスのいい路線沿いのエリアから町を選ぶと、都会へのアクセスと生活の質のバランスをとりやすいと思います。私もそのバランスを考えて、今住んでいる町に引っ越しを決めました。

ロンドン近郊に住むデメリット

もしロンドン市内に頻繁に通わないといけない場合は、電車代が高くなってしまいます。特に通勤となると、ほとんどの場合レイルカードの使えないオンピークの時間帯に電車に乗ることになると思うので、オフピーク時の約2倍交通費がかかってしまうことになります。

デメリットは金銭面だけではありません。電車の遅延、キャンセル、信号システムの不具合などが発生すると、乗り継ぎだったり、次の電車まで待たないといけなくなるなどタイムロスが出てしまいます。通常1時間内で移動できる距離が、1時間オーバーや最悪2時間近くかかってしまうことも。また線路のメンテナンスが週末に行われることが多いのですが、そういうときは丸1日駅がしまってしまいます。鉄道会社がRail Replacement Busで対応してくれるので、完全に公共交通機関が遮断されるわけではないのですが、交通の面で不便を感じやすいです。

町や村の規模が小さいと、飲食店やスーパーの選択肢も格段に少なくなります。娯楽も少なくなるので、賑やかな大都市のほうが好きな人はすぐに退屈してしまうこともあるでしょう。

実際にロンドン近郊に住んで感じたこと

ロンドンから離れたくないと強く思っていたのにも関わらず、今のロンドン外での生活にすごく満足しています。払う住居費もお家のクオリティも納得感があり、これだけで個人的に生活の質が一気に上がった気がします。

私が選んだ地域は、自然がありながらも、ちょうどいい建物の密度、人の少なさ、でも最低限のスーパーやちょっとしたショッピングモールへのアクセスがある小さなエリアで、こじんまりとしているのが気に入っています。

交通量の少なくなる朝と夜は特に、深呼吸をしたくなるくらい空気が綺麗だと感じます。雨が降ると草木の香りが漂ってきますし、数軒先で草刈りをしていたら、土と緑の青々とした匂いがこちらまで運ばれてきます。

また都心部から離れたことによって、ロンドンを客観的に見れるようになったという面白い感覚も出てきました。ベースは静かな環境に身を置いて、週末やイベントの際に刺激を求めてロンドンに繰り出すのが私にとっていいバランスになっています。

どんな人ならロンドン以外もあり?

人混みや騒がしいのが苦手、自然の多い地域の方が好きという人なら、ロンドン郊外から近郊のエリアに住むのをおすすめします。住環境を重要視する人にとっては、家でよりリラックスできるようになると思います。あと、電車移動が苦にならない人にも向いていると思います。

また在宅勤務ができる場合や毎日出社しなくていいハイブリッドワークの場合も、ロンドン近郊エリアに住むことを選択肢に入れていいと思います。ロンドン市内の職場に週2回程度の出社が義務付けられている友人は、ロンドンの外から電車1本でセントラルの主要駅に行ける地域を選んで引っ越していました。

一方で、ロンドン中心のライフスタイルを送っている人は、多少住居面で妥協してでもロンドン内に住むメリットが大きいこともあります。アーティスト方面の仕事をしている元同僚は、「僕はこの仕事をしているから、ハックニー*から離れられないのさ」と言っていました。

どんなライフスタイルを求めているかが大前提になってきますが、ロンドン以外に住むという選択肢も、思っていた以上に悪くありませんでした。私はロンドンを離れる前まで、便利さを手放すことばかり気にしていましたが、実際にはいい面もたくさんありました。今では、必要なときにロンドンへ行ける今くらいの距離感が、自分にはちょうどいいと感じています。 

*東ロンドンにある地域で、アートやクリエイティブの中心地。